心理テクニック

相手の怒りを鎮める9つの心理テクニック

ナツキ
ナツキ
いらっしゃいませ!!

些細な言い合いが双方のヒートアップで大げんかに発展し、思わぬ結果を招く場合があります。恋人との別れや友人との絶交、クライアントとの絶縁。

相手の怒りにこちらも応じてしまうのが原因です。

Contents
  1. カッとなった相手の怒りを和らげる手法
    1. 相手の怒りに応じては「別れましよ」の結末を招く
    2. 反論は事態を悪化させるだけ、まずは相手の話に耳を傾ける
  2. 相手の怒りに引き寄せられないための自己コントロール法
    1. 攻撃を受けて怒りを覚えるのは、本能的な防御反応
    2. ムカっときたら交感神経を鎮め、相手をクールに観察
  3. 相手の気持ちに必ず届く!より良い謝罪方法
    1. 何度も接触すると好感度は上がっていく
    2. 相手の怒りのテンションにこちらも合わせて謝罪する
  4. 相手のモヤモヤを早めに切り上げさせるには?
    1. 人の愚痴に付き合うと、ストレスが増えていく
    2. 共感する=悪口ではない
    3. 成功体験やポジティブな感情を誘導する
  5. クレーマーを撃退!落ち着いて「受け流す」
    1. まぶしさで目が疲れると、人は受け身になる
    2. 自分から解決手段を差し出す必要はない
  6. ライバルの競争心は「敵の敵は味方」で抑える
    1. ライバル意識を向けてくる「迷惑さん」の懐柔策とは?
    2. 坂本竜馬も使った「共通の敵」戦略
    3. ほめて負けを認めることでライバル意識もやわらぐ
  7. 「ムカッ」に火をつけ無理な頼みを引き受けさせる
    1. 野心家はほめてけなされると反発心が湧き上がる
    2. 仕事を引き受けさせたら「委ねる」ほうが成功する
    3. 仕事への野心を高めるのは「責任ある立場」と「他者からの承認」
  8. 部下を「怒る」と「叱る」は全く別物
    1. 「怒る」上司に部下は離れていく
    2. 要望が上手に伝わる「アイ・メッセージ」
  9. 相手を怒らせない機転のきく断り方
    1. 誘われたら、まず、「うれしい」「楽しみ」「幸せ」と受け入れる
    2. ドタキャンにならないよう、早めの連絡が常識

カッとなった相手の怒りを和らげる手法

相手の怒りに応じては「別れましよ」の結末を招く

心理学には、「ペーシング(同調行動)と「ディスペーシング(反動超行動)という言葉があります。相手に合わせるのがペーシング、合わせないのがディスペーシングです。

ペーシングは、相手のテンションを持続させる働きがあります。笑顔で話している人に笑顔で応じれば、お互いに気持ち良く会話が続いていきますが、これはペーシングのおかげです。怒りに対してもペーシングは存在します。

一般的に、感情的になっている人は声が大きく、早口になりますが、こちらも応じて大声、早口になっては、お互いの怒りが増幅し、「じゃあもう、別れましょ!」「それがいいな!」と最悪の結末を迎えてしまいます。

反論は事態を悪化させるだけ、まずは相手の話に耳を傾ける

怒りへのディスペーシングは、冷静さを保つことです。相手が主張を言い終えるまで、一切口を挟まないようにします。

相手はとにかく、自分の不備をあなたに聞いてほしいのです。きちんと話を聞いている、というサインを示すために、時おり相手の目を見ながらうなずくようにしても効果があります。

反論したくなる気持ちもわかりますが、火に油を注ぐようなもので、相手の怒りはさらに大きくなります。

事態を素早く収束させるために、ここはグッと我慢。人間、長い時間怒りつづけることはできません。

相手が言いたいことをすべて吐き出し終えたら、まず謝罪ではなく、感謝の言葉を伝えます。感謝の言葉には、自分を認めてほしいという「承認欲求」を満たし、怒りをやわらげる働きがあるからです。

あなたへの不平不満をずっとまくしたててきた相手が「さてどう反論してくるかな」と身構えているところに「ありがとう」。

これで相手は「えっ?」と確実に戸惑います。これもひとつのディスペーシングです。

そして次にあなたが使うべきは、「シュガーランンプ(砂糖の魂)」の話法。甘い砂糖のように甘く心地よい言葉を伝えて、相手の心理的抵抗を弱めるテクニックです。

「だらしない僕を心配してくれているんだよね」「君のおかげで、また大切なことに気づけたよ」「大人になると叱ってくれる人って貴重だから」などここまで持ち上げられては、相手も冷静さを取り戻すでしょう。

その上で謝罪、もしくは反論があるならば、落ち着いた声のトーンで説明すればいいのです。

その際は、「でも」「だけど」といった逆接の接続詞は避け、「ところで、僕の考えも聞いてくれるかな?」と切り出します。否定のニュアンスで会話がはじまらないため、相手も主張を受け入れやすくなるのです。

相手の怒りに引き寄せられないための自己コントロール法

攻撃を受けて怒りを覚えるのは、本能的な防御反応

相手の怒りを鎮めるためには、冷静さを保つことが大切です。しかし人間は、攻撃的な言葉を投げかけられたとき、本能的に心と体を守ろうとします。

相手と戦う、あるいは逃げるという決断を下そうと、交感神経が活発に働くのです。交感神経が活発化すると心拍数は急上昇し、全身の筋肉がこわばり、呼吸が浅くなります。

汗をかき、声がうわずり、頭にも血が上り、まさしく緊張でアガっている状態です。この状態は不快であるだけでなく、冷静な判断力も失われます。

怒りをこらえていた人物の呼吸や鼓動がどんどん速くなり、やがて大声や暴力などで感情を爆発させてしまうシーンがありますが、これこそが怒りに引き寄せられた結果の象徴です。

現実世界で生きる私たちは、そう簡単に怒りを爆発させるわけにはいきません。かといってただひたすら怒りを受け止め、こらえつづけるのも大きなストレスがかかります。

そこで、本能的な怒りを呼び覚まさないために効果的なテクニックを紹介しましょう。

ムカっときたら交感神経を鎮め、相手をクールに観察

「ムカッ」、「イラッ」と湧き上がる怒りをコントロールするには、活発になりかけている交感神経を鎮めるようにします。

具体例

●深呼吸:心身をリラックスさせるために、ゆっくりと頭の中で数を数えなが 深呼吸。「5回深呼吸したら、冷静になっている」というように、自分に暗示をかけるのも有効

●目を細める:興奮状態で瞳孔が拡大し、目が未開かれるのを防。

●手掌の汗を拭く:拳を握りしめると、全身が硬くなる。ズボンやハンカチなどで手の汗を拭いたら、そのまま開いておく

●肩の力を抜く:全身の力を抜いて、リラックスする

といった方法があります。

これにより脳が「平常時」へと近づき、冷静さを取り戻せるのです。

また、相手を風景の一部とと捉え、客観的に観察するのもひとつの手です。

「小鼻が膨らんでるな」「ちょっとネクタイが曲がってる」といった具合に、表情、口癖、仕草などを分析していれば、相手の毒のある言葉に引きずられないですみます。

相手の気持ちに必ず届く!より良い謝罪方法

何度も接触すると好感度は上がっていく

不用意な発言で相手を傷つけてしまったり、仕事でミスをしたり。明らかにあなたの過失によってトラブルが起きた場合、もつれてしまった相手との関係性を元に戻すためにも謝罪が必要です。

とはいえ、子供同士のケンカとは違い、ただ謝ればいいというわけではありません。ここでは、より効果的に謝意が相手に届くテクニックを紹介しましょう。

人間は知らない人に対しては冷淡な対応をする一方で、なにかしらのコンタクト(接触)を増えるほど、相手に親近感や好感を抱きやすくなります。

アメリカの心理学者であるロバート・ザイアンスが発表した「ザイアンスの法則(単純接触効果)」です。

アメリカの社会心理学者ロバート・ザイアンス(1923~2008)によって発表された理論。知らない人には冷淡な対応をする一方で、何かしらのコンタクト(接触)が増えれば増えるほど、好感度が上がったり、親近感を抱いたりするとされている。別名『単純接触効果』とも呼ばれる。

「苦手だな」と思っていた人が何回か顔を合わせるにつれ「意外といい人かも?」と思えたり「たいしてかわいくないのになぁ」という芸能人をテレビで何度も見ているうちに「いや、かわいいかも」と思い直したり、といった現象もザイアンスの法則によるもの。

直接顔を合わせない、メールやSNS、電話といったコンタクトも好感度をアップさせる働きがあります。

相手の怒りのテンションにこちらも合わせて謝罪する

だからこそ謝罪の際にも、ザイアンスの法則を活用しましょう。具体的にはすぐに相手に出向くのではなく、メール→電話→直接会う、という3ステップを踏みます。

直接謝罪に行けば接触は1回ですが、この方法なら3回。そのたびにお詫びの言葉を伝えるわけですから、自然と相手の怒りや不満もやわらいでいきます。

ただし、何通もメールを読んだり、電話を受けたりするのは、面倒くささと紙一重。メールを送り、相手が読んだかなと思われるタイミングで電話をかけます。

もちろん、メールでも電話でも「自分が悪かった」と認め、ひたすら謝ることが大切です。

それで相手の怒りが収まれば万々歳、しかしまだ納得がいっていない様子ならば、いよいよ顔を合わせての謝罪です。

ふてくされている、目を合わせない、といった様子で静かに怒りを示しているならばこちらも落ち着き、怒鳴る、わめくなど感情が昂っているのなら、大袈裟なまでに謝ります。

頭に血がのぼっている相手に対する冷静な謝意は「話を聞いているのか!」「反省しているのか!」という反発を招くため、逆効果になりかねません。

また、謝罪は許しを要求するものではありませんから、「どうか許してください」といった言葉もタブーです。人が怒りの感情を爆発させていられるのは、4分半といわれています。

相手が怒りを吐き出し、徐々にトーンダウンしてきたら、トラブルの解決方法や自分の決意などを表明しましょう。

相手のモヤモヤを早めに切り上げさせるには?

人の愚痴に付き合うと、ストレスが増えていく

世の中には、不平不満(モヤモヤ)を口にせずにはいられない人がいます。お酒でも入っていようものなら「ねぇ、ちょっと聞いてよ!」とはじまったが最後、延々と愚痴りつづけます。

不満を口にしてすっきりするのは相手ですが、付き合わされる身になれば貴重な時間がダラダラと無駄に消費されていくだけ。

ネガティブな話を聞きつづけることは、余計なストレスをも生み出します。

そんなときは、不平不満(モヤモヤ)を上手に誘導し、サクッと切り上げてしまいましょう。

共感する=悪口ではない

愚痴を聞かされた人々の多くは、相手の気持ちに寄り添おうとして、「大変だったね」「それはひどいね」などと共感を示します。

人を思いやれるがゆえの優しさでもあるのですが、相手にすればうってつけの理解者を得たとばかりに、さらなる文句が生まれてきます。

特に、不平不満(マヤモヤ)の原因となっている対象(上司やライバルなど)に対する「それは管理職失格だね」「ちょっと責任感がないよね」といった人間性を否定するような共感は、相手の負の感情を刺激します。

つまり、愚痴→共感(結果的には悪口)→さらなる愚痴、という堂々巡りにしかならないのです。

成功体験やポジティブな感情を誘導する

不満を受け止め、共感を示す優しさは大切です。しかし本当に重要なのは、ネガティブな感情がうずまいている相手の心を、ポジティブな方向へと転換させること。

そのために、相手がかつての成功体験や楽しい思い出をイメージできるような会話へと導いていきます。

「まぁ、上司の〇〇さんもお前を嫌いなわけじゃないよ。ほら、この前ほめられたって言ってたよね」「前の上司だった××さんは、お前のこと粘り強い奴だって認めてたんだから。

そのうち今の上司もわかってくれるって!」「今って、あのときと似てない?どうやって問題をクリアしたんだっけ?」など、アプローチはさまざま。

相手の「不平・不満・怒り」という気持ちを「うれしかった・楽しかった・喜び」という気持ちへとスイッチさせることを心がけましょう。

要は、相手の不平不満(モヤモヤ)をくすぶらせつづける燃料を取り上げてしまうのです。すると相手が抱えている怒りの感情は落ち着き、前向きに状況を捉えるようになっていきます。

それでも相手が感情を整理できず、口がつづく場合は「僕になにかできることはあるかな?」と問いかけてみましょう。

相手にすればその気持ちこそがうれしく「大切にされている自分」が確認できるイメージ。たちどころに不平不満(モヤモヤ)が収まります。

クレーマーを撃退!落ち着いて「受け流す」

まぶしさで目が疲れると、人は受け身になる

気に入らないことがあると、すぐに文句や苦情を言い出す人(クレーマー)がいます。

こちらに非がある場合はきちんと対応する必要がありますが、金品や自分に有利な待遇を引出したいがための言いがかりは、さらりとかわしてしまいましょう。

クレーマーと直接会って話す際に意識しておきたいのが、光の位置です。必ずあなたが光を背負うようにします。窓やガラス戸のある空間ならば、あなたがそれらを背にして立つ、もしくは座るのです。

光の方向を長い間見ていると、徐々に目が疲れてきます。

そして人間は、視神経に疲労が溜まると受動的になりやすいことがわかっています。つまり、あなたが主導権を握りやすくなるのです。

光を味方につければ、クレーマの意気は時間の経過とともに無意識レベルで削がれていきます(視神経疲労法)

自分から解決手段を差し出す必要はない

次に理不尽なクレーマーとの対話で心がけるべきは「あいづちを打たない」こと。とにかく相手のペースに巻き込まれないようにするためです。

会話は話す側と聞く側がシンクロするかどうかによって、盛り上がる、盛り下がる、が決まります。うなずく、あいづちを打つなどの「あなたの話を聞いていますよ」というサインは、クレーマーを勢いづかせてしまうだけ。

相手がどんなに熱心に話していてもポーカーフェイスでじっと聞き流すのも効果的なテクニックです。

しびれを切らした相手が「話を聞いているのか!」と強く迫ってきても、「はい」とだけ、シンプルに淡々と答えましょう。怒鳴られても、にらまれても、怖がるそぶりは見せずに冷静に対応します。

相手の目は直視せず、眉間や鼻を見るようにすると気持ちも落ち着きます。あなたに脅しが通用しないと印象づけられれば、クレーマもなすすべがなくなっていくのです。

クレーマーは最終的に、あなたが自主的に行動を起こす(金品を渡す、責任を取るなどの提案をする)方向に話を持っていこうとします。

「どう誠意を見せるんだ?」「どうやって責任を取るんだ?」と誘いをかけ、それに対する具体的な返答を待つのです。

ここでなにか答えてしまっては、相手の思うツボです。自分の方から解決策を提示する必要はありません。

「どう誠意を見せるんだ?」と聞かれたら、「誠意とはどういうものでしょうか?具体的におしゃってください」と質問で返せばいいのです。

クレーマーは恐喝という犯罪が成立するのを恐れて、要求をはっきりと口に出すことができません。

クレーマーから身を守る最善の術とは…

冷静さを保ちながら淡々と受け答えし、責任のともなう発言をしなければ、クレーマーは一線を越えられません。

ライバルの競争心は「敵の敵は味方」で抑える

ライバル意識を向けてくる「迷惑さん」の懐柔策とは?

ライバル関係は、ときに人や組織を大きく成長させてくれます。武田信玄と上杉謙信、巨人と阪神、スティーブ・ジョブスとビル・ゲイツ…。

歴史をひも解いてみてもビジネス、文化、芸術と、ライバルとのせめぎ合いによって技術や実力がアップした例は数えきれません。

各分野のトップランナーにかぎらず、私たちの日常生活も同様です。人間は自分自身を評価したい、してほしいという承認欲求を持っています。

そのために誰かと比べ、、自分のほうがすぐれているとわかると安心したり、「負けてられるか!」と発奮したりするわけです。ライバルを自分のなかで設定するのは、ごくごく自然な心理。

ライバルは、自分を評価するための「ものさし」なのです。ただ、そのライバル意識が強く表に出てしまう人がいます。会社や学校、サークル、ママ友仲間など、なにかにつけてはイヤミ、自慢、けん制、悪口をチクリ。

こちらとしては穏やかに付き合いたいと思っているのに、事あるごとに対抗心を向けられてしまっては疲れるだけです。そんな困った人にはどう対処すればいいのでしょうか。

坂本竜馬も使った「共通の敵」戦略

幕末の英雄、坂本龍馬は「薩長同盟」の立役者でもあります。それまで犬狼の仲ともいえるライバル関係にあった薩摩藩と長州藩を結びつけ、同盟を締結させました。

ライバル関係にある両藩の代表者を説得するために竜馬が用意したのは、「共通の敵」。江戸幕府を薩摩、長州の敵として設定し「倒幕」という共通の目的を持たせることでひとつのチームとしたのです。

このテクニックは、現代に生きる私たちにも効果があります。ライバル意識を向けてくる相手とあなたとの「共通の敵」をつくってしまえばいいのです。

あまり近しい人では新たなトラブルも生まれやすくなるため、「酒を強要してくる人」や「マナーを無視する喫煙者」、「時間に遅れてくる人」といった一般論でも構いません。

共通の敵について語り合うことで仲間意識が生まれ、相手の対抗心も少しずつ薄まっていきます。

ほめて負けを認めることでライバル意識もやわらぐ

あなたにライバル意識を持っている人は、心のどこかであなたを「うらやましいな」と思っています。

だからこそ、「負けたくない」と対抗心を示してくるわけです。そこで同じ土俵に上がってしまっては逆効果。

「この前のプレゼンうまくいったからさ、課長に『次も期待してるよ』なんて言われて参ったよ」、そう自慢されたら「そうかー、すごいな!」「お前には敵わないよ!」と持ち上げてしまいましょう。

あなたが負けを認めたことで彼らは満足し、メラメラと燃えていたライバル意識の炎が小さくなります。

「ムカッ」に火をつけ無理な頼みを引き受けさせる

野心家はほめてけなされると反発心が湧き上がる

部下や後輩に厳しいノルマや納期の迫っている仕事を引き受けさせ、確実にやり通してもらいたい…そんなとき、あなたはどのような頼み方をするでしょうか。

おだてて下手に出て拝み倒す、有無を言わさず命令する、「次に飲みに行ったときに奢るから」といった報酬をチラつかせる、などさまざまな交渉術がありますが、相手が「自分はデキる」と自信を持っているタイプである場合、オススメなのが反発心や向上心に火をつける頼み方です。

「この課でいちばん営業アポイントを取るのが得意な君でも、今週中に新規3件は厳しいよなぁ…」「あと1件契約が取れれば今月のノルマが達成できるんだけど、いくら君でも君でも厳しいか」といった具合です。

自分に自信がある野心家タイプの人間は、ほめてけなされると、反発心がムクムクと湧いてきます。

「そんなことない、俺ならできる」といったイラ立ちとプライドから「大丈夫ですよ」「問題ありませんよ」と思わず引き受けてしまうことも多いのです。

仕事を引き受けさせたら「委ねる」ほうが成功する

反発心とやる気に火をつけて仕事を引き受けさせたら、あとはひたすら見守りましょう。

進捗具合が気になってしまいますが、「あの件はどうなっているんだ」「今月は残り1週間しかないぞ」などと口を挟まないようにします。

野心家タイプは、上司や先輩、同僚からの干渉や命令、詮索を嫌います。

だからこそ、仕事を引き受けさせる際には、期日と要望をきちんと伝え、「この件はすべて任せたから、自分の思うようにやってみろ。君だったら安心だ」と全幅の信頼を示しましょう。

仕事への野心を高めるのは「責任ある立場」と「他者からの承認」

この心理作用は、アメリカの心理学者フレデリック・ハーズバーグによって提唱された「二要因理論」でも証明されています。

二要因理論によると、仕事への意欲を高めるのは「責任ある立場」「他者からの承認」「自己成長」「仕事のやりがい」といった要因(動機づけ要因)です。

「給料」や「オフイス環境」「上司との人間関係」「福利厚生」といった要因(衛生要因)は、悪いと不満が募るものの、どんなに良くしてもやる気にはつながらないとされています。

この理論に照らし合わせても、やっかいな仕事は野心家タイプの「イラッ」を刺激しつつ、責任とともに押しつけ、やる気スイッチを押すのが得策。

その分確保できた時間は、自分のために有効活用しましょう。

部下を「怒る」と「叱る」は全く別物

「怒る」上司に部下は離れていく

昨今、パワーハラスメントは大きな社会問題になっています。部下や後輩がミスを犯したときに、感情に任せて怒ろうものなら、すぐさま「パワハラ!」となり、自分のマネジメント能力がマイナス評価になってしまう場合もあります。

逆恨みされないよう、部下や後輩に要望を伝えるのも現代のビジネスマンにとっては必要なスキルです。

そもそも、相手の行動や考え方を直してほしいときに、「怒る」という手段を選ぶべきではありません。

あくまでも「叱る」。人はたとえ自分に非があるとわかっていても、改めて強い口調で指摘されると、保身のために言い訳をしたり、意固地になってしまったりもします。

感情に任せて怒鳴る、追い詰める、といったアクションはもってのほかです。部下や後輩は反省するどころかあなたへの反発を強め、人間関係も穏やかなものではなくなります。

要望が上手に伝わる「アイ・メッセージ」

部下や後輩を叱る(注意する)場合、重要なのは言葉の主語です。言葉には「アイ・メッセージ」と「ユー・メッセージ」があります。

アイ・メッセージは「私」が主語となる、「私はうれしい」「私は悲しい」「私は感動した」といった言い回し。

ユー・メッセージは「あなた」が主語で「あなたは優秀だね」「あなたはこうすべきだ」といった言い回しです。

ユー・メッセージは断定的、客観的、上から評価している、といった印象を与えます。一方、アイ・メッセージは評価対象と横並びであり、あたたかい印象を残すことができます。

アイ・メッセージは心に響きやすく、記憶に残りやすいという特性も。

つまり叱る(注意する)場合は、ユー・メッセージではなく、アイ・メッセージを用いれば、心に届くうえ、反発を招きにくいのです。

たとえば、部下が報告書を期日までに提出しなかったとしましょう。

ここで「(君は)どうして期限を守れないんだ!(君は)社会人の最低限のルールも守れないのか!」と否定を交えて怒るよりも、「報告書がないと(私を含めた関係者全員が)困るんだ。

期日を守るのは社会人の最低限のルールだと私は思うんだけど、どうかな」と叱るほうが、心にグッと伝わり、反省を促せます。

失態の原因である相手をダイレクトに責めるのではなく、自分の哀しみ、失望、不安を伝え、そのうえで改善策を提案するようにしましょう。

そうすれば、再び同じミスをしないように、部下や後輩は主体的に自分の課題に取り組むようになります。

また、急を要しない、部下がミスによって動揺している、人目が多い、という場合は、一旦冷却期間を置いて叱るのもいいでしょう。

嫌な気持ちを引きずって仕事に影響が出ないよう、休日前の退勤時間に狙いを絞って、話し合いを設定するのもオススメです。

相手を怒らせない機転のきく断り方

誘われたら、まず、「うれしい」「楽しみ」「幸せ」と受け入れる

相手の好意や善意からのお誘いを断るのは、なかなか心苦しいものです。都合がつかない、もともとその気がない、断る理由はさまざまですが、言い方に気をつけないと、相手を怒らせてしまう場合もあります。

そんなときにぜひ使いたいのが「YES/BUT法」です。

たとえばあなたが、「来週末に仲間内でバーベキューをするんだけど、一緒に行かない?」と誘われたとしましょう。

知らない人とバーベキューに行くのはちょっと気が思いし、仕事も残業つづきで週末はのんびり過ごしたい。そう思い、「すみません。来週末はちょっと予定がありまして。また誘ってください」と答えました。

これはBUT法で、上手な断り方とはいえません。誘いを断るというネガティブな事実しか伝えていないため、相手は気分を害しやすくなるのです。

一方、「バーベキュー、楽しそうですね!ただ残念なんですが、その日は予定があるんです。すみません、また誘ってもらえるとうれしいです」

はじめにポジティブな意思表示をした(YES)後、予定があると断る(BUT)が、YES/BUT法。

一度、相手の申し出を受け入れる姿勢を見せているため、その後で断っても相手は嫌な気分を抱きづらいのです。

また、一度断られた相手を再び誘うのは躊躇するものですが、それをフォローするように「誘ってもらうのは迷惑ではなく、うれしい」というメッセージを最後に伝えると良いでしょう。

ドタキャンにならないよう、早めの連絡が常識

その場の勢いで相手の申し出に乗ったものの、後日、冷静に考えると気が進まない、というときがあります。やはり最善策は、気持ちを切り替えてきちんと約束を果たすこと。

直前になってキャンセルするいわゆる「ドタキャン」は、あなたに寄せられた信頼を裏切るわけですから絶対に避けるべきです。

どうしても断りたいという場合は、なるべく早めに相手と連絡を取ります。約束の具体的な詳細が先方から伝えられる前に行動を起こしましょう。

メールやメッセージアプリ、電話など方法はなんでも構いません。

「先日はバーベキューにお誘いいただきありがとうございました(感謝)うれしくてその場で参加と言ってしまったのですが、予定を確認したところ(理由)、

どうしても外せない先約が入っていました(断り)、本当に申し訳ございません(謝罪)。今度また飲みにいきましょう(代替案)」のように…

感謝→理由→断り→謝罪→代替案という流れで話を組み立てれば、相手を怒らせずに断ることができます。

相手が先約の内容について突っ込んできた場合は、冠婚葬祭、子どもの学校行事、家族のイベント、仕事やアルバイトなど、バレないものを選んで理由にしましょう。

「嘘も方便」ということわざもあります。相手との関係にヒビを入れないための嘘なのですから、堂々と言い切ってください。

最後までお読み頂き本当にありがとうございました。

ナツキ
ナツキ
あなたの人生に素敵な勝利が訪れますように

KIYORA Group
メンタリストのための心理学 主任
桃園 ナツキ(ももぞの なつき)