心理テクニック

逆境をはねのける13の心理テクニック

ナツキ
ナツキ
いらっしゃいませ!!

今回は「ニッコロ・マキャベリ」式の仕事術についてお話しします。

厳しい現実を正面から見据えたマキャベリは15〜16世紀に活躍したイタリアの政治思想家で「マキャベリズム」(権謀術数主義)」の語源となった人物です。

マキャベリは、1469年にイタリア北部にあるフィレンツェで、法律家の子として生まれました。彼は29歳のときにフィレンツェの役人となり、実務を担当する書記局に努め始めます。

彼は大学こそ出ていませんでしたが、以前から独学で多くを学んでいました。

外部との交渉から軍事まで、さまざまな仕事をこなせる多才な人物で、統領秘書官にも抜擢され、現在でいう外交官のような職務を担当します。

そして、各国の事情に触れつつ数々の交渉に携わるなか、彼は「世の中には、熱意や道徳的なことだけでは解決できない問題もある」という現実を知ることになったのです。

その後、マキャベリは政変によって職を解かれ、山荘に移って農園で自給自足の生活を始めます。

このとき書かれたのが、統治者の在り方を論じた『君主論』です。「国を保つためなら悪も用いるべき」という彼の政治哲学は、当時でも衝撃的で多くの批判を浴びました。

しかし、厳しい現実を見据えた彼の著述は、後年の多くの偽政者たちにも参考にされたのです。

「マキャベリ」と名前は聞いたことがあっても、実際、どういう思想家だったのか知らない、という人は多いのではないでしょうか?

実はマキャベリが『君主論』その他で述べていることは次の点に要約できます。

①人は自己保存のみを追求する性、邪悪な生き物である。

②法律、道徳、週間、契約、信義その他の社会関係は、邪悪な人間が互いに闘い続ける悪を最小にするために考え出された約束事にすぎない。よって、相互の力関係が崩れると、その約束事は容易に廃棄される

③なにごとかをなさんとするなら、その目的から逆算してすべてを組み立てなければならない(目的は手段を正当化する)。

その過程において約束事に抵触する恐れがある時は、抵触するリスクと抵触しない利益を秤にかけて判断すべきで、約束事を絶対視すべきではない。

しかし、約束事が有効に機能している場合は、約束事に違反するリスクを考慮してから決定を行うべきである。

④善をなさんとして結果的に悪をもたらしてしまうよりも、善のために悪を成す必要があると判断したなら、これを一刻も躊躇すべきではない。

悪を成すことをためらっているうちに、より大きな悪を招来してしまうことが少なくないからである。

⑤もっとも肝心なことは、持てる全知全能を傾けてものごとを正しく考えることである。この「正しく考える」ということは道徳的に正しいという意味ではなく、合目的に正しいということである。

とにかく結果を出す

ビジネスで成功するために、もっとも大切なことはなんでしょうか。それは、「なにわともあれ、結果を出す」という一点につきます。

世の中には「結果さえ出せればなんでもいいのか!」とか、「結果よりも、そこに到る過程が大事だ」という人もいます。

こうした意味も完全な間違いではありませんが、ことビジネスに関してはいえばあくまで結果が第一で、ほかの要素は二の次です。

ビジネスは結果が一番!

ここで一度、「なんのためにビジネスを行うのか?」を確認してみましょう。

そもそもビジネスとは、自信の能力を生かして人々が求める品物やサービスを提供し、その対価として報酬を得る経済活動です。

本来の目的は「経済活動を通じて社会に貢献すること」で、得られる利益はあくまでその対価にすぎません。

ただ、ビジネスによって得られる利益は、法人税という形で社会に貢献できている度合いがわかりやすい形で現れた指標でもあります。

ビジネスの目的に「お金を稼ぐため」を第一に挙げると、「利益ばかり追求して」と渋い顔をする人も多いようですが、ビジネスでお金を稼ぐということは、それだけ法人税で社会に貢献しているということですから、こちらも間違いではありません。

そして、結果が出せていないということは、社会に貢献できていないともいえるのです。

こう考えてみれば、各企業が「利潤を最大化」を目的に活動していることにも納得がいくでしょう。

世間には、どちらかといえば不真面目なのに成果だけはあげているという、要領のよい人もいます。

こういう人を見て「オレのほうが頑張っているのに!」と思う人も多いですが、どれだけ立派な志を持ち、いくら真面目に頑張ったとしても、利益を生み出せないならビジネスとしては成立しません。

一般社会において、立派な志を持っていたり真面目に頑張ることは無価値ではありません。

しかし、企業では真面目に頑張って結果を出せない人よりも、多少不真面目でも結果を出せる人のほうがありがたい存在です。

企業が経済活動を行う機関である以上、重要な評価ポイントは「結果を残すこと」なのです。

無我夢中で勝ちに行く!

これは当然のことですが、いくら儲かるからといっても法律や条例に抵触する行為は許されません。

またビジネスは相互の信用が重要ですから、詐欺まがいの行為で一時的に儲けたとしても、「結果を出せた」とは言えません。

しかし、ビジネスが利益をめぐる他者との競争であるのも事実ですから、敗者にならないためにはがむしゃらに勝利を目指すしかありません。

マキャベリは「結果がよければ、手段は常に正当化されうる」と述べています。これは「多少あざとい手段をとったとしても、それでよい結果が出せるなら問題ない」ということです。

極端に言えば、生きることは戦いです。厳しい状況がつづく時代なら、なおさらこうした気概が必要になるのです。

自分の願望を否定しない

「欲」という言葉には、どこか下世話なイメージがあります。宗教などで強欲さを戒めていることが多いので、その影響もあるのでしょう。

利益の追求が社会貢献になる

確かに強欲すぎることについては問題が多く、それが犯罪やトラブルのもとになることも事実です。

しかし、周囲に認められたい、お金持ちになりたい、異性からモテたいといったさまざまな欲求は程度の差はあっても誰もが持ているもの。

人間にもともと備わっているものなのですから、欲そのものを頭ごなしに否定する必要はありません。

これは、ビジネスにおいても同じです。たとえば、個人や企業がよりよい商品やサービスを提供する理由には、これらを通じて社会に貢献するというより目的があります。

しかし、それだけかと問われればそんなことはなく、根底に「より多くの利益を得たい」という利己的な欲望があるのも事実でしょう。

日本では長らく「金儲けを目的に仕事をするのはよくない」とする風潮があり、これは現在でも残っています。

とはいえ、完全な自給自足の生活をしているのでもない限り、現代社会で生きていくためにはお金が必要です。

企業であれば社員の生活もかかっていますし、どうせならより利益が大きい方がよいのは当然です。

こうして各企業が自己の利益を追求し、互いに市場で競争しているということです。そして利益が多いということは、それだけ商品やサービスを利用している人が多いということです

人間は強欲である

人間の本質について語ったマキャベリの言葉のなかに「野心は人間の心中に深く根をおろしているので、人間はどんな高位についたとしてもそれを捨て去ることはない」というものがあります。

たとえば会社の役職なら、係長になれたら課長、課長になれたら今度は部長と先を狙いたくなるもの。人は何かをひとつ手に入れたら次はほかのものが欲しくなるのが常です。

こうした人間の欲望はごく自然なもので、そもそも人間が文明を発達させてきたのも「より快適で便利な暮らしをしたい」という欲望があったからです。

文明の発達によって自然破壊や環境汚染といった問題が生じたことは事実です。しかし、もし人間によくがなかったとしたら、人類がここまで反映することもなかったでしょう。

人間が行動する原動力は「欲望」でありこの欲望こそが社会を発展させてきたのです。

ビジネスは、いわば相手の欲望を満たしてあげることで自分も利益を得ることです。人間は欲深いものだと認め、普段からそこに注意をはらっておく。

そうすれば相手の欲望に対しても敏感になりよりスムーズな対応が可能になるでしょう。

嫌われる決意を持つ!

人間には誰しも「人から嫌われたくない」という感情があります。

会社に限らず、人間は人と人とのつながりの中で生きていますからどうせなら周囲から慕われたい、尊敬されたい、好感を持たれたい、と思うのはごく自然なことです。

ただの”お人好し”になるな!

「人から嫌われたくない」と思うのはごく自然なことなのですが、あまりにも「嫌われる」ことを恐れて、周囲にいい顔ばかり見せるのは、長期的に見てよい選択であるとは思えません。

たとえば、相手からなにか面倒な頼みごとをされた際、「本当は嫌だけど、相手の機嫌を損ねたくない」ばかりに、ついつい引き受けてしまうということがあるかと思います。

もちろん、ときには無理をしてでも頼みを聞いたほうがよい場合もありますが、毎度毎度、我慢して言うことを聞いていたのでは、あなた自信の負担も増えますし、ストレスも溜まります。

さらに、こうした態度を取り続けると、周囲から「あの人は頼めばなんでもやってくれる」と思われた挙句、さすがに限界と思って断ると「別の人の頼みは引き受けたのに、どうして自分の頼みは聞いてくれないんだ!」と逆恨みに近い感情を抱かれてしまうことも考えられます。

嫌われたくないと思って取った行動が、かえって相手の反感を買ってしまう。これほど馬鹿馬鹿しいことはないでしょう。

こうした事態に陥らないためには、日頃から「たとえ嫌われても構わない」という覚悟を持つことが重要です。

嫌われるのは勇気のいる行動なので難しい面もありますが、しっかり自己主張せず誰にでもいい顔をしていると、結局自分の立場を苦しくするだけなのです。

謙譲の精神では商売にならない

「反発を覚悟してでも言うべきことはきちんと言う」という態度は、ビジネスマンにおいても非常に大切です。

日本には古くから謙譲を美徳とする文化があるので、ついつい自分が譲ることで相手を立てたり、その場を丸く収めようとしてしまいがちですが、そうした態度が必ずしも自分の評価につながるとは限りません。

むしろ「周囲の顔色をうかがってばかりで中身のないヤツだ」ととらえられてしまう可能性もあります。

とくに相手が尊大な態度で接してくる場合は、こちらも相応の対応を行うことが必要です。

これについてマキャベリは「謙譲の美徳を持ってすれば、相手の尊大さに勝てると信ずる者は誤りを犯すはめになる」と述べています。

たとえば、ビジネスには交渉事が付き物ですが、交渉というのは極端に言えば、「いかに相手の主張を受け入れることなく、こちらの主張を通すか」のせめぎ合いです。

尊大な態度を取る相手に謙譲の態度で接しても、相手にとって都合のいいように受け取られてしまい、自分の利益をそこなうだけでしょう。

謙譲は確かに美徳ですが、それだけではビジネスという競争社会では勝ち残れません。けんかしてでも通すべきところは通す。そんな気概が大切なのです。

生き抜くためにスキルアップ!

企業に本望しない

かつての日本企業は、定年まで就職した企業で働きつづけられる「終身雇用」と勤続年数とともに給料が上昇していく「年功序列型」が大きな特徴でした。

こうした労働環境は、「若くても能力がある人」が不満を持ちやすいといえます。

その反面、誰でも真面目に働いていればある程度の賃金が保証されるため、将来の見通しが立てやすい、安定感のある制度でした。

また人間はある程度の年齢になると、どうしても能力が低下します。

しかし、終身雇用の制度には、それまでの功績があった人を能力が下がったからといって簡単には切り捨てないという、安心感もあったのです。

しかし、長年つづいた不況により、企業は体力が低下してこうした体制を維持できなくなりました。

押し寄せるグローバル化の波や、企業が成果主義へシフトしたこともあって、現在では終身雇用や年功序列の制度は、ほぼ崩壊しています。

これによって、かつて「問題がある人なのではないか」と見られがちだった転職も、当たり前のことになりました。

今では「転職をしたことがないなんて、能力がないのではないか」と逆に疑いの目を向けられることもあるようです。

現代は時代の流れが非常に早いので、現在の業績が好調な企業だったとしても、5年後や10年後も好調だとは限りません。

大企業の正社員ですらリストラの可能性がある現在では、どの企業に就職しても「生涯ずっと働いていける」という保証はないのです。

こうした時代を生き抜くには、「自分だけの武器」、すなわち「自分が糧を得るための技能」を身につけることが重要です。

「自分の価値をあげる努力」を続ける

企業が業績不振になった場合でも、あなたに「企業にとって不可欠な人材」と思わせるスキルがあれば、リストラされることはないでしょう。

これについて、マキャベリは「武装せる預言者は勝利をおさめることができるのであり、反対に、備なき者は滅びるしかなくなるのだ」と述べています。

これは「普段からしっかりと準備をしておけば、危機を迎えても生き残れる」ということです。

得意、不得意は人それぞれで、業界における人材の需要も異なっています。しかし、どのような分野においても、「自分の価値を高める」ことが重要な点は変わりません。

行き先が不透明な時代においては、いまの環境に甘んじることなく、常に自分を磨き続けることがより重要です。

そして、成功を手にしたいと考えているのであれば、これは経済が好調な時代であっても同じです。

日々の努力なくして成功をつかむことはないということを、心に留めておきましょう。

自分流に固執しない

仕事に限ったことではありませんが、人にはそれぞれ「自分なりのやり方」というものがあります。なにかを始めたばかりのころは、誰しもしばらく手探りの状態がつづくと思います。

しかし、何年かつづけているうちに「自分がもっとも成果を出せる方法」が確立されていき、それが自己流として定着するものです。

ただし、ビジネスの場においては、常に確立した自己流がベストであるとは限りません。時代や状況の変化によって、それまで成果を上げていた方法が、通じなくなることも珍しくないのです。

過去の成功にこだわらない!

こうした例のひとつが、かつてのビール市場です。それまでビールを扱う各企業は、競って「より美味しいビール」をつくることに力を注いできました。

しかし、度重なる酒税の増税や若者のアルコール離れによって、市場全体の売り上げが次第に縮小し、各企業は対策に迫られました。

当時大きな問題だったのは、それまで「安くて美味しいもの」だったビールが「美味しいけど高いもの」になってしまったことにありました。

そこで登場したのが、ノンアルコールビールや第三のビールと呼ばれる新商品です。ビールの売り上げが低迷する一方で、これらの新商品は大ヒット。

各企業も競って新商品を開発し、誕生した新たな市場は急成長していきました。

このとき、もしビールの開発担当者が「もっと美味しいビールなら、必ず回復できるはずだ」と、従来からの信念を曲げなかったとしましょう。

確かにより美味しい商品を生み出せれば、売り上げが伸びた可能性は否定できません。しかし、新たに誕生したノンアルビールという市場からは、確実に取り残されてしまったでしょう。

美味しいビールをつくるという従来の方法にこだわらず、新たなジャンルの開拓に取り組んだからこそ、各企業は生き残ることができたのです。

状況に応じて新自分流を明確化する

市場の動向は長期間あまり変わらないこともあれば、短期間で大きく変化することもあります。

マキャベリは「運命は変化するものである。人が自己流のやり方にこだわれば、運命と人の生き方が合致する場合は成功するが、しない場合は不幸な目を見る」と述べています。

「運命」をそのまま「時代」や「状況」に置き換えるとわかりやすいでしょう。

ビジネスの本質は、あくまで「顧客のニーズを満たして利益をあげる」こと。仕事場は、決してあなたの自己満足を満たす場所ではありません。

成果が上がらなくなった自己流にこだわるのは、意味がないどころか、害悪でしかないのです。時代や状況の変化に対応し、その時々に適した自己流を確立させていくことが重要なのです。

失敗を教訓として成功へ!

「なにをすれば成功できるのか」は、いつの時代でも人々にとって変わらないテーマだと思います。

世の中には、有名な経営者の哲学やビジネスマンの心得といったさまざまな情報があふれており、こうした状況からもいかに人々が高い関心を寄せているのかがわかるでしょう。

同じ失敗をしない!

いつの時代、どんな職業についていたとしても、一度も失敗しなかった人など存在しません。よって、失敗すること自体はよくあることだと、割り切って考えてよいでしょう。

ただし、同じような失敗を何度も繰り返すのは問題です。なぜなら、同じ失敗を繰り返すということは、「私には学習能力がありません」と公言しているようなものだからです。

「仏の顔も三度まで」という言葉がありますが、ビジネスの場で同じ失敗が許されるのは、二回までと考えたほうがいいでしょう。

三度繰り返したとしたら取り返しはつきません。たとえ、相手の態度が以前と変わらないように見えているとしても、あなたの信用は完全に地に堕ちています。

個人商店の場合などは、なにか失敗しても自分が損をするだけで済むことがあります。しかし、企業に就職している場合や、フリーランスでも企業から依頼を受けている場合はそうもいきません。

ミスをした自分がなんらかの損失を被るのは当然ですが、それによって企業の信用を失墜させるようなことになれば、ほかの人々にも影響します。

手が回らないほど仕事があふれている好況のときならまだしも、経済が低迷している状況ではみなが神経を尖らせています。

原因究明・防止策・実践

大きな事故が起きた場合、よく「事故原因の究明」と再発防止策の構築」という言葉を耳にします。

ビジネス以外のことにもいえますが、同じ失敗を繰り返さないためには、失敗の原因をしっかり分析することが必要です。

そしてここで大事なのが、どれだけ深く掘り下げられるかです。

マキャベリは「天国へ行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである」と述べています。

これは、どうすると地獄に行くのかを熟知し、それと反対のことをすれば天国にいけるということ。

つまり、失敗につながる行動や考え方などを徹底的に考え、それが起こらないようにしておけば、ひとまず失敗はせずに済むというわけです。

失敗の原因を明らかにし、それに対して再発防止策も考えた。しかし、これだけではまだ足りません。

もっとも肝心なことは、再発防止策をきっちりと実践しつづけることです。これができなければ、「二度と同じ失敗はしません」と言っても信用されません。

口だけならなんとでもいえますから、やはり態度で示すことが必要なのです。

出世したいなら話術アップ!

出世に必須、話術スキル

組織で仕事をするうえでは、与えられた役割をしっかりこなし、結果を残すことが大切です。これさえできていれば、ひとまずリストラにおびえる必要もないでしょう。

ただし、あなたが出世したいというなら話は別。単に与えられた役割をこなすだけでは、なかなか出世は狙えません。そして、出世を狙うために重要になってくるのが「話術スキル」です。

どうすると出世できるのかは、その企業によってさまざまです。企業によっては、机に向かって黙々と実務をこなしているだけでも出世できるかもしれません。

しかし、大抵の場合は数人のチームのトップとして、なんらかの仕事に取り組むことになるでしょう。

組織で出世すると、多くの場合は部下を持つことになりますから、まずはチームリーダーに据えてあなたの適性をはかるわけです。

他人と仕事を円滑に進めるには、意志の疎通が欠かせません。それまでは、ただ上司の指示に従って実務をこなせばよかったかもしれませんが、出世すればあなたも部下の指示を出すことになります。

当然ですが、あなたの指示を部下が理解できなければ、彼らは動きようがありません。

あなたは、伝えたい内容をきちんと伝えられるだけのコミュニケーション能力、つまり話術を備えている必要があるのです。

話術の重要性について、マキャベリは「話す能力に長じた者が、良い指揮官になれる」と語っています。

ここで言う指揮官とは軍隊におけるもの。軍の指揮官は、部下の心をしっかり掌握することはもちろん、戦場では的確に指示を下して部隊を素早く行動させることが必要です。

どんなに状況判断に優れ、どれだけ効果的な作戦を考えられる指揮官でも、それをしっかり伝えられなければ部隊を思うように動かすことはできません。

これはビジネスでも同じです。出世するということは、人の上に立つ立場になること。現場の実務を把握しておくことは確かに大切ですが、「いかに上手に人を動かせるか」が重要になってくるのです。

話術とは、相手を説得すること!

たいていの軍隊では上官の命令は絶対です。現場の兵士が命がけで戦うという性質上、これが徹底していないと軍が機能しないからです。

しかし、企業は軍隊ではありませんから、部下が必ず指示通りに動くとは限りません。部下が納得して動けるよう指示の主旨を説明したり、ときには面倒な仕事を頼むために説得することも必要になるでしょう。

また、出世をすると新たな企画を求められたり、重要な取引先との交渉を有利にまとめる必要が生じることもあります。

企画のプレゼンでは「なぜその企画がよいのか」という根拠を明確に伝える必要がありますし、どちらも場合も相手に納得してもらう必要があります。

そもそも、ビジネスは他人とのコミュニケーションなくして成立しないもの。話術スキルは、どのような立場、場面においても重要なのです。

簡単に本音を口にしない

いつも正直で他人を欺いたりしない人は、一般的に「好ましい人物」として評価されます。相手によって態度を変えない「裏表のない人」は、誰からも好感を持たれやすいものです。

とくに日本の社会は、人間は「善」であることを前提に成り立っている面が強いですから、正直な性格は美徳でもあります。

それとないひと言が不利益を呼ぶ

ビジネスも信頼で成り立っているので、こうした性格の人が相手なら安心感はあります。

しかし、一方で競争原理が働くビジネスの場には、化かし合いという側面もあるので、一概に好ましい性格とはいえません。

マキャベリは「陰謀については、火急の必要が生じた場合か実行の瞬間以外は、決して他人に明かしてはならない」と述べています。

ビジネスの場に当てはめると「本心や言う必要がない事実を簡単に他人に話すな」といったところでしょうか。

たとえば、あなたが同僚と飲みながら上司の不満をもたらしたとしましょう。

自分ではちょっとした愚痴のつもりかもしれませんが、それを同僚がどうとらえるかはわかりませんし、尾ひれがついて話が本人に伝わり、とんでもない誤解を招く可能性もあります。

また、ビジネスに交渉はつきものですが、言わなくてもよい内情を口にしたことで相手に足元を見られてしまい、得られるはずだった利益が目減りする可能性もあります。

仲がよい同業他社の人に、自分が考えている企画の話をもらしたような場合、その企画を先取りされてしまうといったことも考えられるでしょう。

そんなことはないと思うかもしれませんが、仮にあなたから話を聞いた相手がなにもしなくても、その相手が別の誰かにうっかりもらしたひと言から、あなたやあなたが所属する企業が不利益を被るようなことが起きる可能性はあるのです。

本音と建て前の使い分けが大事

とはいえ、ビジネスは信頼で成り立っています。まったく本心を明かさないような人は、どう思われるでしょう?

ここで伝えたいのは「決して本心を明かすな」ということではないということです。

たとえば、テレビで深夜に放送されている実演販売の場合、商品のよいところはアピールしますが、あえて悪い部分を公表したりはしません。

あなたが視聴者だったとしたら、悪い所を知らされて商品を購入しようとは思わないでしょう。しかし、訪問販売のセールスマンの場合は、逆にデメリットをきっちり説明した方が売り上げは伸びるそうです。

これは、あえて不利な話もするセールスマン自身が信頼を得て、「この人が薦めるなら」と契約してくれるわけです。

このように、ビジネスにおいては相手や場面を選びつつ、上手に「本音と建前」を使い分けるバランス感覚が大切なのです。

自分の立場を明らかにする

世の中には「八方美人」と呼ばれる人がいます。特定の個人や組織に肩入れせず、常に中立の立場を保っている。

ただし、状況によってすり寄る相手を変えているというなら、すぐに態度を改めたほうがいいでしょう。

得をしない八方美人

イソップの寓話に「鳥と獣とコウモリ」という話があります。その昔、鳥の一族と獣の一族が争っっていました。

このとき、コウモリはどちらの陣営にも属そうとせず、「私は羽があるから鳥の仲間」「私は全身に毛があるから獣の仲間」と、その時々で立場を変え、優勢な方にすり寄っていました。

すると双方が和解して戦争が終わったとき、こうもりはどちらからも嫌われて居場所がなくなり、暗い洞窟に住むようになったというものです。

仮にどちらかが勝って争いが終わった場合でも、勝った側からは「立場をコロコロ変える信用ならない奴」、負けた方からは「いい顔しながら保身の走った卑怯者」と双方からさげすまれ、やはりコウモリは居場所を失ったことでしょう。

このように、身の安泰をはかるために中途半端な行動をとると、かえって自分の立場を危うくすることになります。

その時その時の状況で片方に少しずつ肩入れすると、その時だけはいい思いができるかもしれません。

しかし、それはあくまで短期間なもので、最終的には大きなマイナスにしかならないのです。

もし、あなたがこうした状況に遭遇し、「無駄な争いに加わりたくない」とあくまで中立を保ちたいのなら、双方にいい顔をするのではなく、きっぱりと争いに加わらないことを宣言した上で、双方から身を遠ざけるしかありません。

しかし、この場合においても、争いが終わったときにあなたが孤立する可能性は残るので、多少の覚悟は必要になるでしょう。

中立を続けるにも味方は重要

中立の立場をとることについて、マキャベリも「わたしは断言してもよいが、中立を保つことは、あまり有効な選択ではないと思う」と述べています。

さらに「とくに仮想にしろ現実にしろ敵が存在し、その敵よりも弱体である場合は、効果がないところが有害だ」とつづけています。

中立の立場をとって安泰でいられるのは自分自身に争っている者たちと同等以上の力がある場合だけ。

つまり、あなたが中立の立場を貫こうと思うなら、あなたにも味方が必要なのです。

たとえば、なにかを頼まれたとき普通に引き受けるのではなく、「あなたの頼みなら」とひと言そえて見るといったように、「あなたは特別だ」と意思表示をするのです。

あなたの本心はどうであれ、相手にそう思いこませること

だますようにも思えますが、それで人間関係が良好になるなら問題ありません。組織の中で自身の居場所を確保するには、このくらいの狡猾さは備えておく必要があるでしょう。

真似に罪はナシ!

ビジネスで成功する手段はさまざまですが、比較的誰にでもできるものとして、「過去に成功したビジネスモデルをマネる」という方法があります。

「他人の真似をする」と聞くと、どうしても抵抗を感じる人が多いようですが、これは実際に成功した経営者の多くが、雑誌のインタビューなどでも成功する要素のひとつに挙げています。

多くの成功者は真似する

経営者の彼らにしてみれば、むしろ「優れたお手本が目の前にあるのに、どうして積極的に真似しないのか」と不思議に感じるそうで、ビジネスにおいて優れたものをマネることは、すでに当たり前になっているのです。

マキャベリの言葉のなかに「人は、ほとんど常に、誰かが前に踏みしめていった道を歩むものである」というものがあります。

どれほど革新的なアイデアに見えたとしても、実は本当の意味でゼロから作り上げたというものは極めてまれ。

世の中にあるほとんどのものは、先人たちが生み出した何かをもとにして成り立っているのです。

たとえば、ハリウッド映画の大ヒットシリーズ『スターウォーズ』は1965年に発表されたフランク・ハーバートの小説『デューン/砂の惑星』から多くのヒントを得たとされ、

宇宙を舞台にした壮大な叙情詩であることや、フォースのような人間の精神エネルギーの存在、巨大な敵に立ち向かう救世主的な主人公といった基本的な構成をはじめ、いくつかの設定が流用されているといわれています。

日本のアニメ作品『風の谷のナウシカ』には巨大な芋虫「王蟲(オーム)」が登場しますが、これも『デューン』の砂虫がもとになっているといわれています。

こうした例のほかにも、「オマージュ」として過去の作品の要素を取り入れることはよくある話で、だからといってその製作者が糾弾されることはありません。

業績を出すには真似をする

どこかの企業が新しいものを生み出すと、同じ業界のほかの企業がこぞって似たような商品をつくり始めるように、世の中は絶えず先人の業績からよい部分を抽出し、さらに改善を加えながら発展してきました。

これは、組織の体制などにおいても同じです。

特許侵害のような違法行為は論外ですが、そうでなければ他人をもほうすること、真似することを恥じる必要はまったくないのです。

もし、あなたが仕事の進め方に行き詰まっていて、同僚に「仕事ができる」人がいるのなら、その人のやり方を観察して「よい部分をマネてみる」とよいでしょう。

一定の成果を残してきた人ほどプライドが邪魔をして、壁に突き当たっても自力でどうにかしようとしがちです。

しかし、企業が求めているのは「効率よく仕事を進めて成果を出す」こと。

ポリシーを貫くのは悪いことではありませんが、長らく結果が出せなくなれば、築いてきた信頼も揺らいでしまいます。積極的によいものをマネることは、組織や社会のためにもなるのです。

コネは進んで利用!

コネはプラスアルファーである

「コネを使う」と聞くと、ほとんどの人が顔をしかめると思います。

これは本人がどうにもできない要素で評価するのは不公平だという考えをもとに、「成果の獲得は、本人の才覚や努力によってなされるべき」という価値観が、世の中の人々に広く浸透しているからでしょう。

マキャベリは「ひとりの人間が世間に知られるようになる第一の様式は、彼の父親や血縁の値打ちである」と述べています。

これは、他人がある人物を最初に評価するとき、その対象となるのは本人の能力ではなく、両親や血縁にどのような人物がいるか、ということです。

マキャベリの言葉は、現代の人々の考えとは真逆の意味ですが、実際のところはどうなのでしょうか。

たとえば、能力は高いがなんのコネもないAさんと、能力は低いが父親が財界の大物であるBさん、どちらかを採用するとしたらどうでしょう。

Aさんは自社で活躍してくれる可能性がは高いですが、優秀であるがゆえに、将来は他社に行ってしまうかもしれません。

反対にBさんの場合、本人がはあまり期待できなさそうですが、財界の大物とのパイプができます。

将来、会社がなんらかの危機を迎えた際に、彼の父が助けてくれる可能性もあるでしょう。

AさんやBさん自信が、どれだけ貢献してくれるのかは、実際に雇ってみないとわかりません。

しかし、現時点でAさんを雇う理由は将来性という不確定なものだけなのに対し、Bさんを雇う利点は容易に想像がつくものです。

よって、企業としては、Bさんの採用をためらう理由はないと言えるでしょう。これは普段の人間関係でも同じことです。

相手が本当はどんな人かは付き合ってみるまでわかりません。

しかし人はリスクを嫌うので、見た目や血縁、置かれている環境といった、わかりやすい周囲の情報から相手を勝手に推測し、付き合うべき相手かどうか判断を下してしまうのです。

コネは使用すべき宝!

コネを使うことに対する一般的な印象は、実際にはコネを使っている人は大勢います。なかでも、政治家の二世や親の商店を継いだ二代目などは、分かりやすい例でしょう。

政治家や個人商店に二世や三世が多いのは、その仕事をするためのノウハウを学べるうえに、支持基盤やお得意さんといったある程度の成果を受け継ぐこともできるためです。

血縁者と同じ商売を行う人は、いわばコネを持った状態。もちろん、本人の努力なくして成功は望めません。すべてを一から始める人に比べ、有利な状況にあることは事実です。

これだけ世の人々がコネを使っているのですから、ためらう必要はありません。なんらかのコネを持ちながら活用しないのは、金利が0の銀行に大金を寝かせておくようなもの。

あなたが持っているコネは、活用すべき貴重な財産なのです。

敏速に決断、すぐ行動!

なにかに気づいたり思いついたりしたとき、すぐに行動を起こす人は世の中にどれだけいるでしょうか。

実行しなければなにも始まらない!

たとえば部屋の隅に溜まったほこりを見つけ、しばらく掃除をしていないことに気づいたとします。そこで、すぐに掃除を始める人はわずかでしょう。

たいていの人は、なにかと理由をつけて「今度やろう」と先延ばしにし、結局は大量のほこりが目につくようになるまで掃除をしないのではでしょうか。

基本的に人間は怠情なので、本当に必要なこと以外はあまりやりたがりません。行動を起こすには気力が必要なので、なにかを思いついてもなかなかすぐには動かないのです。

行動を起こすかどうかは個人の自由です。しかし、ビジネスで成功を目指したいなら、こうした考えはおすすめできません。

たとえば、あなたが新商品のアイデアを思いついたとします。

しかし、「目の前の仕事が忙しいから」とか「少し具体性に欠けるから」と放置していたところ、あなたが思いついたのと同じような他社製品が、いつの間にか店頭に並んでいる。こうしたことは、実際によく起きる話なのです。

あなたの職業が世の中にほとんど知られていないようなものでもない限り、ライバルとなる同業者は無敵にいます。

これらの人々が同じ時代を生きている以上、あなたが思いついたアイデアは、ほかの同業者も同じように思いついている可能性があると考えましょう。

ここで勝敗を分けるのは、「いかに素早く決断して行動に移せるか」です。

ビジネスは同業他者との競争ですから、あれこれと悩むばかりで行動を起こさないのであれば、先を越されてしまうのは当然です。

決断と行動

マキャベリは「決断に手間とることは、これまた常に有害である」と述べています。

物事には最適なタイミングというものがあり、そこでこ事を起こすためには準備を整えておく必要があります。

決断に手間取るということは、裏を返せばそのあいだは何もしないということ。チャンスが訪れるのは一瞬ですから、そんなことでは成功をつかむことはできません。

日本にも「思い立ったら吉日」という言葉があるように、なにかを始めようと思うなら、すぐに着手するのがベスト。何事も素早く決めて、行動を起こすことが重要なのです。

とはいえ、常に即断即決がよいとは限りません。とくに新しくなにかを始めるときは必ずリスクがともなうもの。ときには慎重に考えることも必要でしょう。

一方で、結論を出すために時間をかけ過ぎてはいけません。成功した経営者の多くが、無駄なものとして「長時間の会議」をあげています。

「考えるだけ」なら誰でもできます。。大切なのは、「決断して実際に行動を起こすこと」なのです。

不幸の理由は自業自得

世に中には、自分に不都合なことが起きた際に、必ずなにかに責任転嫁しようとする人がいます。

たとえば、自分が上司からの指示を取り違えて失敗すると、「分かりにくい指示を出した上司が悪い」と不満をもらし、取引先との交渉が失敗すれば、「無茶な要求をしてきた取引先が悪い」と開き直る。

いつでも「自分は悪くない」と主張し、問題の原因はすべて他人や社会のせいにする。こうした人は、あなたの身近にもいるのではないでしょうか。

責任逃れは成功できない!

確かに、世の中にはどうにもできないことが数多くあります。たとえば、人間は生まれてくる場所を選ぶことはできませんから、貧しい家に生まれたのは自分のせいではありません。

ビジネスも同じで、会社の上司は自分では選べませんし、長く続く不況を好況に変えたいと思っても、どうにもならないのは事実です。

しかし、いくら「〇〇が悪い」と愚痴っていても、あなたがなにもしなければ状況は同じままです。

やや極端なたとえですが、あなたが底なし沼に落ちてしまったとして、そのとき「こんなところに底なし沼があるのが悪い」と愚痴るでしょうか。

愚痴っていても沼に沈んでいくだけですから、なんとか必死に考えをめぐらし、沼から抜け出そうとするはずです。

人生もこれと同じです。「〇〇が悪い」と責任転嫁しているのは、沼に落ちて愚痴っているのと同じ。

必死に這い上がる努力をしなければ、沼から抜け出すこと、つまり成功を手にすることは絶対にできないのです。

運命の半分を掴むのはあなたです

マキャベリは「運命が人間の活動の半分を思いのままに裁定することができるとしても、少なくともあとの半分か、または半分近くは、運命もわれわれの支配に身をまかせているとみるのが真実であろうと私は考える」と述べています。

貧しい家に生まれたことや、経済が低迷する時代に生きることは、ひとつの運命といえるでしょう。

しかし、そこからどう生きていくのか、その先の運命はほかならぬあなた自身に委ねられています。

たとえ裕福な家に生まれたとしても、本人がなんの努力もしなければ、将来的に没落することは避けられません。

運が悪かったと嘆きつつ一生を終えてしまうのか、それとも一念発起して成功を手にするのか。すべてあなた次第なのです。

ひと口に成功者といっても、そのすべてが恵まれた環境で育ったわけではありません。

若い頃からの積み重ねで成功した人がいる一方で、生まれは貧しいながらも後年に一念発起し、努力を重ねて成功を手にした人もいます。

少なくとも半分の運命は自信が握っているのですから、頑張らないという手はありません。

本気で成功したいと願うのであれば、「どんな状況だろうと打開して見せる」というくらいの意気込みがほしいものです。

最後までお読み頂き本当にありがとうございました。

ナツキ
ナツキ
あなたの人生に素敵な勝利が訪れますように

KIYORA Group
メンタリストのための心理学 主任
桃園 ナツキ(ももぞの なつき)